忘れ得ぬ北陸の海の幸

以前北陸にいた頃、やはり海の幸が新鮮で美味しいため、良く食べていた。

蟹はもちろんのこと、岩牡蠣という手のひらサイズの牡蠣があり、大ぶりで大味そうだが、食べるとまさに海のミルク!というか、今まで食べた牡蠣とは全く違う美味さだった。

他にものどぐろ、子持ち甘エビ、氷見の寒ぶり、、、寒ぶりは福井で食べた厚さ3センチ以上ある、真っ白で少しピンク色をしたのが激うまだった。

金沢には、かの有名な近江町市場があり、蟹、ウニ、甘エビ、イクラ、マグロ、、、、それこそ知っている魚以外にも沢山売っていて、いつも活況だった。

ただ、地元の人たちによると、近江町市場は観光客用の市場だから、行かないという方が多かった。

白エビも生のものと、天ぷらにしたものでは全く違ってこれまた美味しかった。

変わり種としては、地元の人は『美味しい、美味しい』と食べていた、福井のソースカツ丼。

名物だと言って良く昼食時に仕事がまたがると連れて行かれたが、ハムカツにウスターソースがかかっていて、ご飯の上に乗っているだけで、どうしても馴染めなかった。

福井では、越前かにのメスのことを、別名『せいこがに』と呼んでいて、食べ方を教わると、せいこがには、オスよりかなり小さいため、足は食べないと言って、良く足まで食べていて、『違いますよ、足は甲羅辺りの部分をかき出すために使うんですよ』などと言われたこともあった。

金沢では六角堂と言って、山の上にあるステーキを目の前で焼いてカットして出してくれる店もあったり、富山では家系ラーメンの美味い店に連れて行ってもらったり、基本的に何でも美味しいのが北陸だった。

地元で家が漁師をしているパートナー店の人がいて、同行した時、車に乗ってユーザーに行く道中、自分が『家が漁師なんて蟹、沢山食べれるんじゃないですか?』と聞くと『もう小さい頃から食べ過ぎて、見たくもないですよ』と言われたこともあった。

自分からすれば嬉しい悲鳴である。

忘れられないのが、福井ではお蕎麦も有名で、これも地元の人に連れて行ってもらったが、そこよりも、何と!

福井駅改札を出てすぐの構内にある、立ち食い蕎麦が出汁が効いていて、そこに天ぷらと生卵をトッピングして食べると涙ものの美味さで、店に入って食べるよりも美味しかったことだ。

また金沢では焼き鳥の激うまの店や、常連だった居酒屋では、大将と年も余り変わらないこともあり、会社の人と2人とかで行っても、10畳程の個室に入れてくれて、ビールに始まり、刺身の盛り合わせや木の葉カレイの素揚げや、何とポテトフライや鶏の唐揚げまで何でも出してくれて、これでもかと飲んで食べてもいつも1人5000円だった。

初めの方は『大将、そんな安くてはまずいでしょう。ちゃんと払いますよ』と言っても『大丈夫ですよ、その値段で』と顔色一つ変えずに言っていた。

それからは全ての料理が美味しいので、かなり行ったが、『よくこんな沢山のメニューが出来ますね』と言うと、『ウチの冷蔵庫、店の目の前にありますから』と普通のスーパーを指差して、そう言っていた。

また、会社に九州出身の方がいて、2人で特に美味しい焼き鳥屋に行った時のこと。

いつも鮨詰め状態でカウンターで食べるのだが、自分はビール派で、途中からウーロンハイなどの焼酎を飲んでいたが、九州と言えば芋焼酎と、その人はいつも芋焼酎を飲んでいて、その時は勧められて、初めて芋焼酎のロックを飲んだ。

流石に癖のある味であったが焼き鳥を食べながら他の料理も食べながら芋焼酎を飲んでいて、その人はもう時間もあるし、帰ろうと言われたのだが、その時は慣れない芋焼酎のロックをかなり飲んでいて、『1人で飲むので先に帰って下さい』と言って、1人で酔っているのに更に芋焼酎を飲んでいた。

そして遂にべろべろに酔ってしまい、フラつきながら店を出た。

そして自転車だったので、自転車で帰ろうとすると、乗って50mも行かないうちに、全く気付かず、顔面からそのままて手をつくこともなく、地面へ激突。

気付くとスーツやワイシャツが血まみれになっており、痛さは感じておらず、しばしそこで動けずにいたら、通りかかりの人に『救急車呼びますか?』と聞かれて、『大丈夫、、、』と断り、その人は去って行ったが、帰るため立とうとすると、人生初で、おそらく最後となる、腰を抜かしていて、立つことが出来ない。

必死で立とうにも想像以上に酔っていて、全く力が入らない。

これが腰を抜かすことかと後から思った。

少し考え?携帯を取り出して、もうとうの昔に先に帰った人に電話して、『〇〇ちゃん、迎えにきて、立てない、、、、』と酔っ払いながら電話すると、『どこにいるの?』と聞かれて、『なんかお寺が見える、、、、』と言うと、すぐ分かったようで、『そこを動くなよ』と言われ、しばし待っていると、車で迎えにきてくれたが、自分の血まみれの姿を見てびっくりして、すぐ助手席に乗せてくれて、そのまま自分のマンションまで送り届けてくれた。

次の日は会社がある日だったが、朝になって自分の顔を見ると、下の唇が腫れ上がり、前歯の1本が欠けていて、良く見ると、顔面から地面にぶつけた影響で、前歯が下唇を突き破る感じで、くっきり前歯の形に大きな傷が出来ており、流石にこれはまずいと、半休を取り、午前中にまず歯医者に行ったが、これでは歯の治療が出来ないので、まずは皮膚科に行くように言われて、皮膚科で唇を何針か縫ってもらった。

その皮膚科曰く、『抜糸するまで歯医者は待つように』とのことで、半休だったため、午後から出社。

皆にびっくりされると同時に、『〇〇も自転車で頭を打って手術したから気を付けるように』と言われた。

実はこれ以外にも、飲んで帰宅する時、自宅マンションの駐輪場が、会社の方面から来ると、少し回り道しなくてはならず、それが面倒で、無理やり幅30センチ位の、いわゆる境界線に当たる路地裏を通り、その時境界線にあるドブ川(水が流れている時といない時があった)に、真っ逆さまに自転車ごと1回転してダイビングをしたことが何度かあった。

今は笑える話になっているが、当時の特に顔面から地面に激突した時は、本当にヤバかった。

唇の抜糸をするまでかなり時間を要したし、それから歯医者で欠けた歯の治療だったので、また治療に時間がかかり大変な思いをした。

そんな今では懐かしい思い出?も北陸にはあった。

後はお寿司。

これは関東では考えられないが、回転寿司が、店の握る寿司より美味しいのである。

特に美味しい店を見つけてよく足を運んだ。

それこそ数え切れない種類の魚があった。

余りにも美味しいので、食べ過ぎることもあり、そうなると流石に6000円くらいになってしまう。

とにかく居酒屋を始め、様々な海の幸をこれでもかと堪能した。

今では福井の立ち食い蕎麦は無くなり、特に美味しい回転寿司も場所が変わったりと、色々変わったようである。

忘れ得ぬ北陸の海の幸たち。

夏場はブラックバス釣り、冬場は美味しい魚たち(夏でも美味しいが)。懐かしの北陸。
またいつの日か行こう。